【完】シンアイ

「結衣ちゃん、どうしたの?」

「ここの住所ってわかりますか?」

「お父さん?」

頷くと、自分のスマートフォンを触ってマップにマークされた住所を見せられ、そのまま読み上げる

「すぐに行くから待っていなさい」とだけ言われ、一方的に電話が切れてしまう

「今から来るって?」

「はい、ごめんなさい」

「いいよ、なんとでも言えるから

信也、起きて」

ソファーで眠る宮脇さんを無理やり起こして、簡単に事情を説明する
理由を特に聞こうとしないまま、表情も変わらずに、毛布だけを寝室に投げ入れて身だしなみを整え始めた

20分後、家のインターホンが鳴って宮脇さんと一緒に玄関に向かった
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