【完】シンアイ


「会ってほんの半月足らずしか経たない俺でもよくわかる
原課長、貴方は結衣ちゃんの、・・・娘の何を見てきたんだ

褒められたら嬉しそうに笑う、辛い時は誰かにそばにいて欲しい、慰めて欲しい、それが子供だろう?
それを顔に出せずにずっと内側に抱えて来たんだ

子供が1人家にいて寂しくない訳ないだろうが、寂しさを押し殺して来たんだろう

あんた、子供が我慢しているのを黙って見ていたのか?
この子が苦しそうに笑う姿をみて、自分の子は出来る子だと思ったのか、それで父親ができているっていうのか!」

「信也、ストップ」

私の前に腕を伸ばして、宮脇さんの口を柊さんが手で塞ぐ

言いたいことを全部言ってくれた

いつもの落ち着いた話し方とは違う、感情まじりの喋り方に思わず泣いてしまう
今まで誰も分かってくれなかった、言ったらダメだと思っていた


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