【完】シンアイ
この苦しさを誰かに伝えて、分かって欲しかった
それなのに、この人に会ってこの苦しさが、寂しいということなんだと知ったし、普通じゃないことも知った
なのに言葉にはできなくて、上手く伝えられなくて、くるしかったのに、その苦しみを、わかってくれている
「原さん、申し訳ないです
ちょっと感情が高ぶったみたいで
でも、俺も納得はしてませんよ、貴方のその考え」
宮脇さんは口を塞いでいた手を自力で口から離して、ローテーブルの下の棚からティッシュの入った箱を差し出してくれて、何枚か取って鼻をかむ