優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
カシアスは、評価用紙をもらって、うつむき加減にそれを見ているキアラを見た。

キアラの翼は・・・・

武闘派のアラゴン家では、厳しいだろう。

攻撃、スピード、防御、戦闘においては、明らかに不利であることがわかる。
魔族は自分の弱点を、見せるのを恐れるが、
キアラの繊細な翼は、弱点としてみなされる。

カシアスは、急いで自分の採点用紙を受け取り、
立ち去るキアラを追いかけた。

「キアラ、君の魔法陣は・・・・」

キアラはいぶかし気に、立ち止まり、濃いアメジストの瞳を細めた。

「その、とても美しいと思って、それを言いたかった」

カシアスが一気に言うと、キアラは首を横に振った。

「いくらきれいでも、役に立たなければ意味がない。
アラゴンではそう言われる」

キアラは無表情で、仮面をかぶっているようだ。

「私は役に立たないのだ。
純正の魔族ではないから」

「そんな・・」
その突き放した言い方に、カシアスは言葉がでなかった。

「魔族ならわかるだろう」
そう言うと、
キアラはくるりと背を向けて、
足早に校舎に向かった。

<美しいだけでは、役にたたない>
その言葉は、カシアスの心に刻まれた。
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