優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
「それでは警備の係は・・・・」

カシアスは、数人のオトコ魔族たちを見た。
パーティが苦手で、面倒くさいと思う男子生徒は、一定数いるのだ。

教室の隅でひっそりと生息している、オンナの子が苦手、奥手のタイプ。
そいつらに頼もうと、カシアスは考えていた。

「キアラ・アラゴンを推薦します」
突然の声、
ダイアナが大声で言った。

カシアスのチョークを持つ手が、止まった。

「アラゴン家は、武芸に秀でているし、警備担当に、適任ではないですか?」

ダイアナは周囲を見回し、自分の意見に賛同する女子に目配せをした。

「カシアス、私もキアラを推薦します」
獣人取り巻きが、次々と声を上げる。

キアラは一番後ろの席で、相変わらず窓の外を見て、
自分の名前が出ても、無関心を装っている。

ダイアナは、キアラを排除しようとしているのだ。
パーティに、出席させたくないのは見え見えだ。

キアラ・アラゴンは美しい。

日常では地味で、目立たないようにしているが、
着飾ってくれば、他の女生徒はかすんでしまう。

すぐに属性オトコに注目され
学校内のカーストは上がる。

ここは穏便にまとめるのも、委員長の役割だ。
カシアスは冷静に、キアラに声をかけた。

「キアラ、君の希望があれば言って欲しい」

「別に、それでいいから」

カシアスの確認の問いに、キアラはそっけなく答え、ダイアナは満足げにうなずいた。
< 16 / 81 >

この作品をシェア

pagetop