優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9

その日の授業が終わり、
廊下は帰宅しようとする生徒で、ごったがえしていた。

そのなかで、すぐに帰ろうとするキアラに、カシアスは声をかけた。

「キアラ、時間があれば、警備の打ち合わせをしたいのだけど」

キアラは、考えていたが、うなずいた。
「うん、少しなら、いいけど」

カシアスは、キアラの肯定的な反応に、少し安堵した。
もっと、嫌な顔をしてくるかと予想していたのだ。

カシアスは、学校配置の図面を、上着のポケットから取り出し広げた。

「じゃぁ、外回りから説明するよ。
警備は、この学校以外の者が、許可なく入り込んで来るのを、チェックする仕事だ。
面白半分に入り込んで、いたずらをしたり、悪ふざけする場合もあるしね」

「君の担当は、敷地の外周になる。
パーティのはじまる30分くらいから、見回りをしてくれればいいから」

キアラは、配置図に目を落として

「もし、不審な奴がはいってこようとしたら、どうすればいい?」

カシアスは、手首のブレスレッドの宝珠をひとつはずして、言った。

「これを持っていて。
緊急時には、これを何かにぶつけてくれ。
衝撃で魔力が放出するから。
僕がすぐに駆けつける」

キアラは珍しそうに、その宝珠を見つめた。

「あなたのところの<魔力玉>がこれなの?」

キアラは、黄金に輝く小さな球体を受け取り、指先でつまむようにして眺めている。
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