優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
「カシアス!!ちょっと、こっちに来てよ!
パーティの進行で、委員長に相談があるの」

獅子娘のダイアナが、教室の窓から身を乗り出している。
その表情は、鼻にしわが寄っていて、明らかに不満げだ。

「わかった。すぐ行く」

「こっちは大丈夫。一人で十分だ」

キアラはダイアナの声から逃げるように、速足で立ち去って行った。
それを見て、カシアスは教室の窓の方に歩いて行った。

ダイアナが満面の笑みで、数枚の紙をヒラヒラさせて合図をした。

「ねぇ、カシアス、パーティの時は、私と踊ってくれる?約束してくれる?」

ダイアナは猫科特有のゴロゴロ声で言うと

「いいよ。楽しみにしている」

カシアスは、口角をあげて微笑んだ。
カシアス家は諜報、謀略の家系。

人付き合いは卒なく、社交的であり、いかに有益な情報を引っ張るか。

いつも、微笑みを絶やさず、
しかし、その腹の内を絶対に見せないという、
カシアス家のやり口が、体に染みついている。
< 20 / 81 >

この作品をシェア

pagetop