優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
その姿は、
空中結界のために張り巡らされた、透明な糸に引っかかって、はりつけ状態になっている。

腕や足を動かそうとすればするほど、粘着力が増すのだ。

「大きな爆発音がしたから・・・
確認しようとしたら」

キアラは、顔をこわばらせて、
やっとのことで言った。

「キアラ、動くな。
よけい取れなくなる。
あれは花火だよ」

カシアスは説明しながら、
キアラの足先からからまっている結界の糸を、指先の魔力で切っていく。

「先生の結界の糸は、麻痺させる薬が入っているからね。
キアラ、僕につかまってくれ」

「なんか、しびれる・・・・」

キアラはなんとか、カシアスの肩に両腕を置いた。

カシアスは片手でキアラを抱き、
片手で次々に糸を切っていく。

ようやく、結界の糸を切り離すと、キアラを抱いて地上に降り立った。
< 24 / 81 >

この作品をシェア

pagetop