優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9

レイピア決闘の授業

「今日の授業は、護身術につながる、レイピアについてだ」

体育教師のグレイズ先生は、体育館のフロアの中央で、片手に細い長剣を持ち、説明を始めた。

グレイズ先生は猫科獣人出身で
あり、出自はピューマだ。
しなやかな体と抜群の身体能力を持ち、女子生徒からも人気が高い。

「フェンシングの元になったフルーレとは違う。
もともとは護身用だが、相当に切れるぞ。両刃だからな」

グレイズ先生は、剣を構えて見せた。

「自分の身は自分で守る。これが鉄則だ。護衛がいつもつくとは限らない。


皆には、刃のつぶしてあるフルーレを使うが・・・」

グレイズ先生は、体育館の壁際に固まって、
気が進まないというように立っている女生徒たちを見て言った。

「女性もそうだ。いつ暴漢に襲われるかわからない。
最低限の護身術は必要だ」

グレイズ先生は男子生徒を見て言った。
「男子は1年の時からやっているからな。試合・トーナメント戦でやろう。
女子は初心者だから、まず構えからだ。
カシアス、お前は得意だろう。
女子の方を見てやれ」

カシアスは、笑顔でうなずいた。
彼は魔族の大会で優勝した経験がある。
しかし、その大会にはアラゴンの一派は出場していない。

カシアスは、そっとキアラを見た。
アラゴン出身のキアラは、どの程度の使い手なのか?

グレイズ先生が言った。
「カシアス、最後に俺とやろう。模擬試合でみんなに見せるから」

カシアスの腕前がすごい事を、誰でも知っていた。
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