優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
「戦闘訓練・・ですか?」
カシアスが、すぐに質問をした。
グレイズ先生は歩きを止めず、答えた。
「アラゴンは、競技大会には絶対に出てこない。
彼ら独自のスタイルがあるからな。
だから、彼らの腕前がどの程度か、わからないのだ」
「アラゴン独自の、魔族のトレーニングスクールがありますよね?」
カシアスの質問に、グレイズ先生は腕組みをした。
「うーん、あそこにはアラゴン以外の魔族を、めったに入れないからな。
それに、実戦重視ならば、ルールを無視するのは当然だろう」
カシアスは、同意のうなずきをした。
グレイズ先生は肩をすくめ、両手を広げて
「今回の件で、俺はハクタ先生にずいぶん怒られてしまった。
なんで止めなかったのかと」
グレイズ先生は、<まずかった>というように苦笑した。
「彼女のレイピアの腕は、まずまずだろう。
あの剣は長いし、女には重いからな・・
だが、右手に剣、左手にナイフを自由に扱うことができるのは、
アラゴンの教育といえるだろう。
父親のアラゴンは、大鎌の達人で有名だが、
武器全般をすべてつかいこなす天才だから。
伝説になるほどね。」
そう言って、
グレイズ先生は校舎に入る扉を開けた。
やはり、アラゴンの血を受けた娘なのか・・・
カシアスは思った。
グレイズ先生は立ち止まり、ドアノブに手をかけて、カシアスを見て言った。
「今回の件は、ルールの決められている試合では、
お前さんの勝ちだが・・
実戦の勝負では負けたということだ。」
「え?」