優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
カシアスは困惑していた。

グレイズ先生は顎に片手をやり、うなずくように

「キアラは、最初から計算していたと思う。
技術、体力、身長、体重、リーチ、歩幅、すべてお前の方が、
キアラより上回っている。

誰が見てもね。
事実、お前は簡単に、彼女を壁際まで追い詰めた」

確かにそうだ・・カシアスはうなずいた。

「キアラは、お前が自分の剣を払うのを待っていたのさ。
むしろ、そうしむけたともいえる。
その一瞬の隙をつくために。」

グレイズ先生は、レイピアの構えをして見せた。

「どういうことですか?」

「ふむ・・・相手を油断させ、奇襲攻撃をする・・・・
それに自分の体形を生かしたということ。
お前の懐(ふところ)に飛び込むには、小さいほうが有利だからな」

グレイズ先生はカシアスの右手をつかんで、剣を持つように構えさせた。
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