優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
「いくらアラゴンでも、良家の子女がナイフを持ち歩き、扱うのは違うとは思うが・・
だが父親が、アラゴンならやるだろうな。
カシアス家に負けたら、アラゴン家の面子をつぶすことにもなることを、
キアラもわかっていただろうし」

戦闘の家系・・・・

「昔のアラゴンは、もっと荒っぽかったものだ。
今は商売で荒稼ぎをしているがね
美人フェアリーとつがいになって、ずいぶんと丸くなったらしいが。
だが、娘であっても、
アラゴン家が負けるなんて、許されないはずだ。」

グレイズ先生は皮肉な声で言い、
2本の指先を喉元に当てた。

「確かにお前さんは強いが、あくまで試合での話だ。
生きるか、死ぬかという極限の場面ではどうかな?
そうならないように願うがね」

グレイズ先生がそのまま立ち去ろうとしたので、
カシアスは急いで先生を引き留めた。

「先生、僕にも責任がありますよね?」

グレイズ先生は、皮肉るように

「なんだ?気になるのか?
お前さんは、被害者なんだぜ」

先生はニヤリと笑うと、校舎に入っていった。
カシアスは喉に手をやり、廊下の壁に持たれて考え込んでいた。

あの瞳の中に、壮烈な金色と、
紅蓮(ぐれん)の炎が混じる魔力の発露が一瞬あった。

キアラは何を考えて、アラゴンの世界で生きてきたのだろう。
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