優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9

ハクタ先生の取引


気持ちがモヤモヤする時、
必ずカシアスが行く場所があった。
校舎の裏門近くの雑木林。

清掃用具などを置く物置小屋もあり、校舎の窓からは死角になる。

何かあっても、裏門からすぐに逃げ出す事ができるし、
結界のほころびが多い場所だ。

カシアスは、上着のポケットから煙草を取り出した。
壁際の崩れかけた石段に座り、
指先をパチンと鳴らして火をつけた。

ろうそくのような炎が、指先に灯った。

普通、魔族は小さい火なら簡単に、あやつることができる。
が、大きい炎になると、それなりの魔力が必要となる。

学校では、煙草は禁止されている。

時折、カシアスはこの場所で、一人でたばこを吸う事にしていた。
他の誰かとつるむと、面倒くさいし、
芋づるでバレる事もある。

カシアスは常に優等生でなくてはならないと、
考えていたので、慎重に行動していた。

ブレスレッドの宝珠に触れて、自分の周囲に結界をはると、
煙や自分の姿は見えなくなる。

ここに来たのは、
今日のグレイズ先生の話、キアラの今後、それを考えるためだ。

冷静に問題点を整理して、自分の言動を卒なく、こなさなくてはならない。
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