優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
グレイズ先生の言う通りだ。
キアラは、アラゴンの名誉を守るため、勝ちを取るためにした行動。

うーーむ、

カシアスは、大きく煙を吐いた。
そもそも、なぜこの学校に、彼女は季節外れの転校生としてきたのだろうか。

アラゴン家は、他の種族と積極的に交流することを、好まないと聞いたが・・・・

ましてや、次期当主候補を、学校に入れることはないはずだ。
アラゴン家の主催する、トレーニングスクールに通わせればいいだけで。

「いやぁーー、カシアス君、君も一服かね」

カシアスはぎょっとして、上を見上げた。

ハクタ先生がいつも通り、ニコニコ笑顔で、塀の上に立っていた。
ドワーフは小柄で、枝葉の繁りで隠れるので、気が付かなかった。

「一瞬、火が見えたのでね、何かと思って」

ハクタ先生は、ポンと地面に飛び降りた。

「いつも君は、隙を見せないと思ったが・・・・ふふふ」

ハクタ先生の、笑顔を見て、
カシアスは、慌てて煙草を地面に捨て、靴でこすって火を消した。

先生は長い袖から、太い指先だけ出して

「たばこを出しなさい。没収だ。
火の魔法は、先生の許可がないと使用してはならないことは、理解しているだろう?」

カシアスは黙って、ハクタ先生にたばこの箱を差し出した。
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