優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
ハクタ先生は、煙草の箱をしげしげと見つめて、感心したように

「ほうっ、君は高級銘柄を吸っているのだな。一本もらうよ」

「全部先生にあげますよ」

カシアスは肩をすくめて言った。
ハクタ先生は、また、ふふっと笑って

「これに免じて、秘密にしておこうかいな」

そう言うと、ポケットから小さな箱を取り出した。

「これはドワーフの火だ。先端に硫黄が塗ってある。
このマッチは魔法ではないからね」

ハクタ先生は靴底で、マッチ棒をシュッとすり、火をつけた。

「ちょっと、コツがいるけど、
君にあげよう。たばこと交換だ」

カシアスは、渋々受け取った。
もらっても、別に使い道はないけれど、先生の好意、いや、交換条件を飲まなくてはならない。

ハクタ先生はカシアスの隣に座り、気持ちよさそうに煙を吐いている。
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