優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
「それは、この学校では、いろいろな種族との交流ができるからですよ。

しかも、王族や政権に近い親族の子弟が入ってくる。
カシアス家的に言えば、
将来を見据えて、人脈をつくるってところですね」

人脈をつくり、有益な情報を取る・・とまでは言わなかった。

「はぁーー、君は本当に、優等生でカシアス家の嫡男だなぁ。
それでは、別の質問だ。
アラゴンが今、一番力を入れているのは何だと思う?」

「商売でしょう。」
カシアスは即答した。

ハクタ先生は、たばこの灰を指で落とした。

「ふむ、だから、キアラはここに来たのではないか?
商売は、国境を越えて広げるからな。
次期アラゴンの当主として、
いつまでも、自分の領地に引きこもっているわけにはいかないだろう」

カシアスは頬に手をあてて、
ハクタ先生の吐く煙の行く先を眺めた。

「でも、うまくいっていないですね。特に女子たちとは」

そう言ってから、
カシアスは、さぐるようにハクタ先生の顔を見た。
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