優等生の腹黒@学園ラブ物語　キアラとカシアス　魔法の恋の行方・シリーズ９

闇の先

「ううっ・・」

先にカシアスが、目を開けた。
うつぶせで、砂地の感触が、指に感じられる。
視線を横にやると、すぐそばにキアラが横向きで倒れているのが見えた。

「キアラ・・大丈夫か？」

カシアスは何とか上半身を起こして、キアラの肩を揺さぶった。

「うん・・？」
彼女も気が付いたようで、薄く目を開け、口を開いた。

「ここは・・どこ？」

見渡すと、そこは大きな洞窟の底のようだ。
石柱が連なる巨大な鍾乳洞。

石灰岩の白い壁に、苔がぼうっと発光して、淡い光を放出している。
壁の岩盤が、何層にも崩れ落ち、天井の中央に、鎌で切り裂かれたように穴がぽっかりと開いている。

そこから、夕暮れの赤い空が見えた。
洞窟は相当深く、地上まで登ってたどり着くには、無理な高さに見えた。

「うっ！」
カシアスは口を押えた。
それに強烈な船酔いに似た感覚、強烈な魔力がぶつかった時の魔力酔いだ。

吐き気が収まると、カシアスはようやく聞く事ができた。

「・・なにが起きた？」

キアラは、ぐったりと横たわっていたが、何とか起き上がり口を開いた。
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