優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
「雷のせいで・・魔力に干渉して、空間が歪んだと思う。
空間が開いたけど、不安定で、
それで、ここに落ちたんだと思う」

キアラも洞窟の天井を見上げた。
が、そこにあるのは、だんだん暗くなっていく空だ。

「ここがどこか・・わからない・・」

カシアスは、何とか座って、手首をさすりながら聞いた。

「どうすれば・・出られるかな?」

手首の宝珠は飛び散って、跡形もない。
魔力は絶望的、まったく使えない状態だ。
キアラは、胸元に手をやった。

「・・ペンダントがない・・」
その様子を見て、カシアスは不安げに聞いた。

「キアラ、君の魔力も無くなっている?」
キアラは、うなずいた。

「・・たぶん、そう・・」

キアラは、小刻みに体を震わせていた。
頬が青白く、霧で濡れた髪が張り付いている。

濡れた髪と、冷えた衣服は体温を奪う。
その様子を見て、
カシアスは、ポケットからドワーフの火の箱を出した。

「たき火とかできないかな」
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