優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
乾燥した苔は、よい火口になる。
洞窟の底は砂地で、意外と乾いていたので助かった。

パチ・・パチパチ

小さなたき火の中で、枯れ枝がはぜる。
それだけで、火があることで、気持ちの落ち着き方がだいぶ違う。
カシアスはキアラを見た。

立膝をして、体育座りで顔を埋めている。
あの不思議な霧と洞窟の冷え込みで、体がかなり冷えているはずだ。

たき火の火が少し大きくなると、
カシアスはキアラの隣に座った。

「僕に寄りかかれよ。
くっついたほうが体温を保てるから」

キアラが黙ってよりかかったので、カシアスは肩をそっと抱き寄せた。
抵抗しなかったので、少し安心して、小さな声で言った。

「ここから・・脱出する方法を考えよう。
二人とも魔力がないから」

それには、体力を温存しなくてはならないだろう。
長期戦になるかもしれない。

朝になって、もう少し明るくなれば、周囲の状況もわかる。
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