優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
苔があるということは、
水場も近くにある可能性が高い。

キアラは、たき火の炎を見つめていたが、その頬に涙の筋が垂れた。

「カシアス、・・こんな事になって・・すごく悪いと思っている。
あなたを巻き込んでしまって・・本当にごめんなさい。
ハクタ先生も、グレイズ先生にも」

カシアスは、キアラのアメジストの瞳に、
たき火の火が映りこむのを見つめた。
たき火の炎は、心を開く。

ふたりでここにこうしている事・・・・
これが運命の交錯する接点なのか。

キアラは涙ぐんでいたが、小さな声で、
「いつも、うまくいかない。
私は・・アラゴンでは魔力も弱い方だし、サキュバスにもなれないし・・」

サキュバス!

「あの、アラゴンのサキュバスの課程、受けたの!?」
思わず、カシアスの声が上ずった。
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