優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9

キアラの話

「うん、アラゴンでは、女子は初級と中級は必修科目で、
そこで選抜された子は、プロになるための上級に進む。

私は次期当主候補だから、上級の講義を受けたけど・・・・
その、ついていけなくて」

キアラは目を伏せて、唇に指先をあてた。
これ以上、話したくないというサインだ。

「そうなのか」

カシアスは複雑な心境で、相づちを打った。
ついていけない・・のは良かったのだろう、
ホッとしている自分がいる。

キアラは、話題を変えるように

「アラゴンのおじいさまからは、
ギャンブルやいかさまの手口とか、教えてもらうのだけれども、とにかく、覚える事が多くて・・」

キアラは、自分の手を見つめた。

「その、初めての握手の時に、ちゃんとできなくて悪かったと思っている。
アラゴンでは初対面の相手と、握手はしないんだ。

手を取られて、攻撃されるとか、毒が塗ってある場合もあるから」

キアラは漆黒に紅が混じる髪を、揺らして言った。

アラゴンの流儀。

「そう、教えられるんだ」
「うん」
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