優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
それだけではない、あの父親、アラゴンがにらみをきかしているのだ。
キアラのアラゴン社会での立ち位置は、微妙で難しい。
カシアスはうなった。

キアラは、フェアリーの翼でもあるし・・・・
アラゴンの魔族として、しかも当主として認められるのか?

フェアリーの翼?

そうか!!・・
カシアスはひらめいた。

そうだ!!

「キアラ、翼を広げられる?
君の翼に、僕の宝珠が埋め込んである。

あの、パーティの警備の時に、予備の宝珠を入れておいたんだ。
その魔力が残っていれば、この場所からSOSを発信できる!!」

キアラは、立ち上がり、おずおずと翼を広げた。

カシアスが、その翼の先端に手をかざすと、
宝珠の埋め込んだ部分が反応して、ほわっと光が浮かんだ。

確かに魔力が残っているが、弱い。
どこまで届くかが問題だ。

カシアスは、考え考え口に出した。

「もし、君が、サキュバスの能力があるのならば、
精気を魔力に、変換できるはずなのだが」
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