優等生の腹黒@学園ラブ物語　キアラとカシアス　魔法の恋の行方・シリーズ９

脱出のための作戦

キアラは黙って、うなずいた。

「あくまでも、仮定だが」
カシアスは言葉を、もっと慎重に選んだ。

「もし、僕の精気を、君に渡すことができれば、僕の宝珠が反応して、魔力が増加すると思う」
そう言ってから、口を閉じた。

「宝珠の魔力が強くなれば、捜索している誰かのセンサーに引っかかるし、僕らが救出される可能性が高くなる」
カシアスは、あえて感情を入れずに説明した。

「その・・精気を私がもらうってことは・・・・」
キアラは、確認しようとして、言いよどんだ。

彼女の脳内では、サキュバス授業の＜あれやこれや＞がグルグル回っているのだろう。
キアラは翼を広げたまま、座り込んだ。

「でも・・カシアス、経験があるの？」
キアラはあごをひざに埋めて、前の炎をじっと見ていたが、率直に尋ねた。

「うーーん、ある」

ここで、ごまかしてもしょうがない。
カシアスも、前の炎を見つめて言葉をつづけた。
< 59 / 81 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop