優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
カシアスは自分の指を、キアラのほほに触れるようにした。
「緊張しないで、受け入れて・・
怖くないから」

その唇は小さく、甘やかだ。
そして、鮮やかな紅の色は、サキュバスの妖艶さを物語っている。
キアラは目を閉じたが、緊張が指先に伝わる。

フェアリーは美しい、繊細で、夜露のようにはかなく思える。

「深呼吸しよう。息を吸って、大きく吐いて」
たかだか、キスぐらいなのに、自分はいったい何をやっているのか?

カシアスは思わず苦笑した。
が、疑うことなく、目を閉じて、
従順に指示に従うキアラに、気持ちを奪われた。

なんて、カワイイのだろうか・・・・
この子は、自分だけのもの。

そう思った時、
強い感情が突き上げた。
カシアスは、ゆっくりと味わうように、
舌先ですくいげるように、キアラの唇に触れた。

ずっとこうしていたい、このままで、
カシアスも、目を閉じて思った。

この子は、薔薇の香りがする。
暗闇のなかで
深紅の薔薇が咲き誇る園、
二人で抱き合っているように思える。
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