優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
あっという間に、
キアラは毛布にくるまれ、グレイズ先生に抱き上げられ回収された。

「お前の宝珠信号で、場所が特定できて、よかった、よかった」
カシアス13世は、息子に抱きつき、涙ぐんでいた。

「何しろ、お前の宝珠が粉々になっていたからな。
魔力が無くなっているから、すごく心配をした」

カシアスは、父親にホールドされるように、抱きつかれ身動きできない。
「ええ、なんとか、大丈夫です」

大きく息を吐いてから、ふてくされぎみに答えた。
助かったのだが、
せっかくのチャンスを邪魔されたのだ。

そこで、緊張が解けたせいか、カシアスの意識がふっと遠のいた。

その日を最後に、
キアラは学校に来なかった。
しばらくして
「キアラは体調を崩して療養するので、学校をやめることになった」

ハクタ先生から事務連絡のように、クラスに伝えられた。
ダイアナは鼻の頭にしわを寄せ、腕組みをして、その報告を聞いていた。

カシアスは、かつてキアラがしていたように、窓の外をずっと眺めていた。
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