優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
キアラは、自分のことを覚えていてくれるだろうか・・・・

明日から、医学校での新しい生活が始まる。
医者になったら、アラゴンの領地に行ってみよう。

そこでキアラと会えるだろうか、そう思うと、少し気持ちが前向きになった。
カシアスは自分のロッカーを開けて、教科書やノートをバックに突っ込んでいった。

「おや、カシアス、君はまだ残っていたのか」
ガラッと引き戸が開いて、
ハクタ先生が教室に入って来た。

「キアラのロッカーは、ここでよかったかな」

独り言のようにハクタ先生は、
ロッカーの戸を開けた。
キアラの教科書やノート、レポートが数冊残されている。

「それを、どうするのですか?」

カシアスは、先生を手伝う振りをして、キアラのノートをそろえた。
キアラの書いた筆記体文字は、
魔法陣と同じように美しい。

「ふむ、アラゴン家に連絡をして、取りに来てもらうかだな」
カシアスはすぐに、提案した。
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