優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
「知っている?今度、転校生が来るって・・?」

ダイアナは話題を変えて、自慢げに、マウントを取り始めた。

獅子系獣人の特性だ。

「最上級学年で?この時期に珍しいね」

カシアスは卒なく対応するが、
ダイアナの爪に視線をやった。

ダイアナは長い爪、それも美しく磨いている。
それはそれで、武器になるので、恐ろしいが・・を唇にあてて

「アラゴン家の家長の娘よ。
なーんで、この学校に来るのかしら。
アラゴンは、魔族界隈ではチンピラ、暴力団魔族で有名なのに。
きっと、この学校の卒業生になりたいのだわ。
入学するために、ものすごい寄付金をしたって噂だけどね」

アラゴン家の跡継ぎなのか、
いつも聞かされているオヤジの
愚痴が脳裏によみがえる。

金が手に入れば、地位と名誉が欲しくなるというやつなのだろう。

「ダイアナ、急がないと遅刻するぜ」

関心を示せば、話が長くなる、
カシアスはそう判断して、玄関に走って向かった。

ダイアナが本気をだせば、自分より早いが、空を飛ぶことはできない。

カシアスが振り向くと、ダイアナはスカートを翻して、玄関ではなく、窓をポーンと乗り越えていた。
さすが猫系獣人だ。

カーーーン、カーーン
始業の鐘が、鳴り始めた。
< 7 / 81 >

この作品をシェア

pagetop