優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
カシアスはまったく動揺を見せず、笑顔で

「創立記念のパーティで、警備を頼んだ時に、僕の宝珠を渡しました。
緊急の時の連絡のためです」

シオンは、大きくうなずいた。
「ああ、キアラが結界で引っかかった時の話だね。
あの時も助けてもらったわけだ」

シオンはゆったりと言った。
「この宝珠は、カシアス家の君の印(しるし)だが・・・・
私の妻が言うには」

「ダーリン、お茶を持って来たけど」
10才ほどの少女が、お盆にティーセットを乗せて持ってきた。

少女はシオンの隣にストンと座ると、ニンマリ笑った。
「それって、埋め込み方が、専属契約の時にやる、やり方なんだよね。
キアラは、よくわかっていないと思うけど」

カシアスは、思わず口を押えた。
少女は宝珠を手の平で、おもちゃにするようにころがし、くっと笑って言った。

「カシアス君、君さぁ、キアラと付き合っているの?」

「いえ・・そこまでは」
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