優等生の腹黒@学園ラブ物語 キアラとカシアス 魔法の恋の行方・シリーズ9
エピローグ・カシアスの宝寿
「ねぇ、キアラ、あいつ、どうなんよ」
イリスが、窓辺に立っているキアラの寝間着を引っ張った。
「うん、困った時は、助けてくれるし・・」
キアラも、口元に薔薇を寄せたまま、うなずいた。
「カシアス家は腹黒いので、有名だけど。
あいつは賢いし、口も立つし、敵にするより、味方にしておいたほうが、使えるかな。
それに、イケメンだし、なんでも卒なくこなすマルチプレイヤーって感じだ」
イリスは、青灰色の髪を風に揺らせて立ち去る、カシアスの姿を見て言った。
「わからないように、巧妙に専属契約の印をつけるなんて、やる時は手が早いと思うけど。
でも、キアラを裏切ったら、スパッと首が飛ぶからな」
イリスは指を自分の首にあてて、横にスライドさせた。
「それは困るし・・」
キアラが、あわてて答えた。
あの時、キスをした・・・・
緊急避難だけど、それでも、カシアスとキスをしたのだ。
それはまだ、二人だけの秘密になっている。