まじないの召喚師 ー生まれ変わりの花嫁ー
時間になったので、明日の泊まりの約束をしてからお暇する。
自宅玄関を開けると、ちょうど帰るところなのだろう彼氏と、見送りにでた妹が居た。
私に気付いた彼氏君が爽やかに微笑んだ。
「久しぶりだね、お姉さん」
「ええと、妹がいつもお世話になってます……?」
「…………」
妹よ、睨まないでください。
不可抗力です。
だってあなた方、いつもこの時間リビングでワイワイやってるじゃありませんか。
いつもの時間に帰ってきたのに、もう帰るなんて思いもしませんよ。
「それじゃあ咲耶、また明日」
「うんっ、また明日ね、ハルくん! 楽しみにしてる」
私の横を通り、玄関を出て行った彼氏君。
その足音が聞こえなくなると、妹の顔が凶悪に歪んだ。
「なんで出てきたのよ。陽橘に媚でも売りにきた?」
「ごめん、そんなつもりじゃ」
「言い訳しないで! あんたなんか、陽橘は相手にしないんだから!」
ふんっとツインテールを揺らしてリビングに行く妹。
「………………こわっ………」
美少女は、どんな顔をしていても美少女である。
そして、迫力もすごい。
でも、明日は気にすることはないと思えば、気は楽だった。