まじないの召喚師 ー生まれ変わりの花嫁ー


時間になったので、明日の泊まりの約束をしてからお暇する。



自宅玄関を開けると、ちょうど帰るところなのだろう彼氏と、見送りにでた妹が居た。


私に気付いた彼氏君が爽やかに微笑んだ。



「久しぶりだね、お姉さん」



「ええと、妹がいつもお世話になってます……?」



「…………」



妹よ、睨まないでください。

不可抗力です。

だってあなた方、いつもこの時間リビングでワイワイやってるじゃありませんか。

いつもの時間に帰ってきたのに、もう帰るなんて思いもしませんよ。



「それじゃあ咲耶、また明日」



「うんっ、また明日ね、ハルくん! 楽しみにしてる」



私の横を通り、玄関を出て行った彼氏君。

その足音が聞こえなくなると、妹の顔が凶悪に歪んだ。



「なんで出てきたのよ。陽橘に媚でも売りにきた?」


「ごめん、そんなつもりじゃ」



「言い訳しないで! あんたなんか、陽橘は相手にしないんだから!」



ふんっとツインテールを揺らしてリビングに行く妹。



「………………こわっ………」



美少女は、どんな顔をしていても美少女である。

そして、迫力もすごい。

でも、明日は気にすることはないと思えば、気は楽だった。


< 25 / 79 >

この作品をシェア

pagetop