2ねんせいの夏。
次の日、天気予報は外れ快晴、絶好の海水浴日和だった。

『くそっ…結局行くのか…』

宏が空を見上げながら呟く。

『天気予報当たったね。』

何も知らない潤は健と共に張り切って準備する。

『小学生騙すからだよ。天気は純粋な方の味方したの!』

亜子に言われた宏は、諦めた様子。

『あれ…?貴は?』

宏は貴がいないのに気付く。

『まだ寝てるんじゃない?』

慎が言う。

『潤!貴起こしてきな!』

そう言って宏は潤に貴を起こしに行かせる。
しばらくして戻ってきた潤は、

『兄ちゃん起きないんだけど宏君起こしに行ってよ』

お手上げ状態。

『なんだ?僕だけに行かせる気か?そうはさせねぇからな!』

宏が貴の部屋に向かう。宏の後ろを潤と健がついて歩く。

『起きろ貴!海行くぞ、海!!』

宏が貴の頭までかぶっていた布団をめくる。

『海?今日は雨だろ?』

目を瞑ったまま貴が答える。

『晴れだよ、晴れ!天気予報は外れだよ!』

宏が言うと、

『当たりだよ?』

何も知らない潤が首を傾げる。しまったという顔をしながら宏は貴を揺さ振る。
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