2ねんせいの夏。
電話を切った貴は茫然としている。
何があったのかわからないお手伝いさん達は、貴に話しかけるが、二人の声は貴には届いていない様子。

『事故って言ったよ…ね?』

あかねさんが言う。

『はい。その前は父さんって聞こえたような…』

なつ希さんが答える。

二人は顔を見合わせる。

『大変だよ?これは!』

あかねさんが慌てる。

『はい。大変ですっ!』

なつ希さんも慌てる。

『あれ?!貴君は?』

あかねさんが気が付く。

『さっきまで…あれっ?いませんね。』

なつ希さんも辺りを見回す。

『とりあえず…どうする?!』

慌てる二人。

『皆に連絡?』

なつ希さんが答える。

『いや、まだ何があったかわかってないんだし、確認しなきゃ、そう、確認!電話電話!!』

あかねさんが言う。

『誰に?』

『貴君のお母さんよ!』

『そっか!』

あかねさんが貴の母親の携帯に電話をかける。

『貴君はどうします?』

なつ希さんが言う。

『そうね、でもとりあえず…あっ、もしもし?』

電話がつながる。




貴は家を飛び出していた。
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