2ねんせいの夏。
次の日、なつ希さんは夏休みの為、実家に帰って行った。

骨折した澤田父を残して、各家族の親達は仕事に出かける。

澤田父はというと、
…暇そうに新聞を読み、テレビをつけては消し、つけては消し、
しまいには今の暇さを表現した、つまらない歌を歌い始める。

『仕事人間は予定外にできた休みの日の過ごし方がわかんないのね。』

奈々が呟く。

『今までやろうと思ってできてなかったこととかないの?』

慎が聞く。

『ない!』

キッパリ一言で終了。

『やりたいことは、今すぐ主義だもんね。』

貴が言う。

『貴、ちょっとちょっと。』

そう言って手招きする父と貴は、二人で屋上へ上っていった。

その後ろを宏がこっそりつける。

『じゃ、部活行くわ。』

慎が家を出る。

『私達は心と遊ぶ約束があるから。』

奈々と亜子が家を出る。

『僕らはホームの散歩に行ってくるよ。』

健と潤が家を出る。

『いってらっしゃい!』

あかねさんとコック親子が手を振る。
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