2ねんせいの夏。
弟が泣きだしたから家に入った。

そういうことにした。

とりあえず、父親から逃げた。

俺は道を見失った。

いや、道なんてなかったのかもしれない。

違う…

道は、

俺を必要としなかっただけ?

いろいろ考えたけど、
答えなんか見つからなかった。

ひとつ言えるのは俺の
“それなり人生”が、白紙になった事だけ。

何日かして、夏休みに入った俺は、あてもなく家を出た。

いつも一緒の宏にさえ黙って。

遠くに行くつもりはなかった。

どこでもいい。

なにか見つかるまでは帰らない。
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