2ねんせいの夏。

2学期。

2学期、1日目の朝。

休みぐせの抜けない朝。


登校時間が迫って騒がしくなる家の中。

ギリギリまで寝ようとする春に、

支度に時間のかかっている奈々。

どこに置いたかわからない帽子を探しまわる潤に、

呆れながらも一緒に探す亜子。

学校は近い人ほど遅刻ギリギリ?


慌てて家を出ることになるいつもと変わらない朝、

玄関先に咲く向日葵はうつむいて、今年の仕事を終えていた。

それを横目に見ながら、
貴は夏の終わりを感じる。
時の流れを感じる。


先に行った宏、修、太陽が教室の窓から貴と春の懸命の走りを笑う。

二人が教室に着く手前で、チャイムが鳴る。

前を行く担任。

『おっはよ良太!』

貴は担任の背中を叩きながらそう言うと、

『学校では先生と呼べ!』

いつもの返しが待っている。
そのすきに担任を追い越して教室へ。

いつものパターン。

『良太く…じゃなかった、山口先生も大変だな。』

慎が言う。

そう、皆の担任は、山口良太。
貴達の一コ上の幼なじみ、良太君。
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