2ねんせいの夏。
『進路についての事ですが、希望を今から配る用紙に…』

“山口先生”のHRが始まる。

『太陽は医大だろ?』

春が小さな声で話し始める。

『うん、皆は?』

太陽が聞く。

『ま、俺はとりあえず大学だろ。経済学部とか?わかんないけど。』

貴が言う。

『僕も大学は行っとくよ。修は?』

宏が言う。

『まだ迷ってる。親はやりたいようにしなって言ってくれてるけど、とりあえず大学ってわけには…
やりたいこと、もうちょっと考えてから決めるよ。春は?』

修が言う。

『俺?は…大学行けるほど頭良くねぇしなぁ、どうすっかなぁ。』

春がシャーペンを耳に掛けながら腕を組む。

『まだそんな事言ってんのか?なんかねぇの?』

貴が言う。今までの自分のことを棚にあげて。

『はぁ?おまえにだけは言われたくないね。5年?も親のすねかじって生きやがってよ。』

お約束、春の反論。

『すねかじっ…、いつ俺が親のすねかじったよ?え?今すぐ親父の脛確認してこいっ!俺の歯形なんて付いてねぇから!』

貴が吠える。

『うざいんですけど?そんなボケいりません。』

春の反論。
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