2ねんせいの夏。
探し物
中学校の裏山は、友達とよく来た溜り場。
秘密基地―――。
“変わってないなぁ…”
夕焼けが、つまらない事で人生に躓いた俺を照らして沈み始めた。
『貴…?何やってんだよ!』
久々に聞く声。懐かしい友達の声だった。
『どうしたんだよ!こんな所で!』
春だった―――。
夏休みだからといって暇なはずがない野球部の春が、この街にいるわけがないのに…。
右手にはバット。
練習帰りかこれからするのか。
どちらにしても、元気がないのが気になった。
二人の再会の後ろで、また懐かしい男の声。
『なになに?久しぶり!』
修だった。修が働いている事を知っている二人は、聞きたい事がいっぱいあった。
『どうした高校は?』
『働いている場所は?』
『相談なしかよ…』
『ごめん…』
たった数か月後の再会だが、お互いに知らない時間を過ごした仲間は、それぞれに抱えるものが増えて、先が見えなくなっていた。
『修、どうして高校行かなかった?』
『受験失敗ってわけじゃないだろ?』
『春…お前じゃないんだから。』
『うっ…るせぇよ!!』
『そのうち行くよ。』
『どうして今行かない…?』
秘密基地―――。
“変わってないなぁ…”
夕焼けが、つまらない事で人生に躓いた俺を照らして沈み始めた。
『貴…?何やってんだよ!』
久々に聞く声。懐かしい友達の声だった。
『どうしたんだよ!こんな所で!』
春だった―――。
夏休みだからといって暇なはずがない野球部の春が、この街にいるわけがないのに…。
右手にはバット。
練習帰りかこれからするのか。
どちらにしても、元気がないのが気になった。
二人の再会の後ろで、また懐かしい男の声。
『なになに?久しぶり!』
修だった。修が働いている事を知っている二人は、聞きたい事がいっぱいあった。
『どうした高校は?』
『働いている場所は?』
『相談なしかよ…』
『ごめん…』
たった数か月後の再会だが、お互いに知らない時間を過ごした仲間は、それぞれに抱えるものが増えて、先が見えなくなっていた。
『修、どうして高校行かなかった?』
『受験失敗ってわけじゃないだろ?』
『春…お前じゃないんだから。』
『うっ…るせぇよ!!』
『そのうち行くよ。』
『どうして今行かない…?』