2ねんせいの夏。
私の名前は前嶋 あかね。

私が働くお家では、
お手伝いさんも家族だと言ってくれる。
子供達の悩みも、
子供達の楽しみも、
一緒に悩んで一緒に楽しんで。

両親ほど、いいアドバイスはできないけれど、
きょうだいほど、支えにはなれないかもしれないけれど、
いつまでも見守ってあげたい大切な家族だ。


俺の名前は柳原 浩介。

父の影響を受け、
父と同じ料理人になった。
毎日決まった人達に食事を出す事は、つまらないなんて思うかもしれないけれど、それはそれで大変なことだ。

味になれてしまえば、
食べる方だってつまらない。
おいしくたって毎日食べれば飽きる。
母になった気分だ。

家族の楽しみを作るのが、
俺の仕事で俺の夢。


私の名前は横田 なつ希。

私の職場は、
理想の家族の家だった。
いろんなものに恵まれ、
羨ましかった。

でも、そこには悩みも迷いも抱える子供達が、お互い助け合い支え合いもがく光景があった。

それでも羨ましく思えたのは、
きっと、
誰かのせいにしたり、
簡単に諦めたりしない心を、一人一人が持っていたから。
変わろうとしない自分もいたから。
私も素直に生きることで、自分の道を切り開きたい。
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