2ねんせいの夏。
僕の名前は真柴 宏。


小さい頃からほとんど
家には両親がいなかったけど、
さみしいなんて
思ったことはあまりない。

きょうだいもいたし、
お手伝いさん達もいた。
友達もいたし、
ご近所さんだっていい人ばかり。

悩み事なんてほとんどなく生きていたら、
少しの悩みで人は立ち止まるんだと知った。

小さな悩みは少しずつ大きくなって、まぁいいか、で済ませなくなり、そこで動けなくなる。

僕にそれほどの悩みはなかったけど、
ずっと一緒だった
幼なじみで親友で、
きょうだいの悩みに、
僕が出来る事なんて見当たらなかった。

だから、
待つことにした。

それが
自分の人生を無駄にしているとは思わない。

僕だってその間に
自分の事、考えるから。
ぼうっと待つだけなんて
しないから。


そうする事で、
自己満足だって言われてもいい、
今の自分も
明日の自分もあると思っている、
22歳。
< 133 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop