2ねんせいの夏。
捜し者
貴が家を出た日の夜――。
忙しい澤田家の父親の帰宅。
『おじさん…』
なにか言いたそうな亜子が声をかけた。
『うちのでかいお子さまの事かな?聞いたよ、草介さんに。』
草介さんは、コックさん。
この家の最年長。家出をしっかり報告済み。
『心配でしょ?』
『宏は?一緒に行ったのか?』
話をそらされたような気がしたが、その質問に答えた。
『ううん。お兄ちゃんはさっき、探し物があるって出てったけど。』
『捜し者か…。宏らしいな。』
貴の弟、慎がやってきた。
『出てく前、夢なんかねーよーって吠えてたけど。』
『そんなことか。心配ないよ、行くところは決まってるんだろ。宏に任せておこう。』
父親は何でもお見通し?
『そんなこと?どんなこと?』
亜子と慎は顔を見合わせる。
『二人の夢はなんだ?』
この時、小学生の二人への質問。
『私はおじいちゃんみたいなお医者さんかな。』
亜子と宏の母親の父は医者。母親の弟も医者。
『僕はサッカー選手。』
『サッカー選手か!私の子供の時と同じ夢。うちの子達は、サッカーが好きかぁ。』
笑いながら子供の夢を聞いていた。
“子供”の夢……。
忙しい澤田家の父親の帰宅。
『おじさん…』
なにか言いたそうな亜子が声をかけた。
『うちのでかいお子さまの事かな?聞いたよ、草介さんに。』
草介さんは、コックさん。
この家の最年長。家出をしっかり報告済み。
『心配でしょ?』
『宏は?一緒に行ったのか?』
話をそらされたような気がしたが、その質問に答えた。
『ううん。お兄ちゃんはさっき、探し物があるって出てったけど。』
『捜し者か…。宏らしいな。』
貴の弟、慎がやってきた。
『出てく前、夢なんかねーよーって吠えてたけど。』
『そんなことか。心配ないよ、行くところは決まってるんだろ。宏に任せておこう。』
父親は何でもお見通し?
『そんなこと?どんなこと?』
亜子と慎は顔を見合わせる。
『二人の夢はなんだ?』
この時、小学生の二人への質問。
『私はおじいちゃんみたいなお医者さんかな。』
亜子と宏の母親の父は医者。母親の弟も医者。
『僕はサッカー選手。』
『サッカー選手か!私の子供の時と同じ夢。うちの子達は、サッカーが好きかぁ。』
笑いながら子供の夢を聞いていた。
“子供”の夢……。