2ねんせいの夏。
『無意識にでもやりたいって、思ってる事なんじゃないかなぁ。』

太陽が言った。

『…どうだろ。』

すぐには認めない貴。

『他にやりたい事とかないの?』

『だーからっ、会社の後継ぐことばっかりだった俺に夢はない!』

『急に“俺”とか言ってるし。』

『うるさい!』

『当たるなよ。』

『…………。』

『で、親父さんの会社は何の会社なわけ?』

『………?何の会社?』

『うわっ、知らないのに継ごうなんてよく思ったなぁ。』

『知ってるよ、知らないわけなぃ…だ…ろ。』

『語尾が小さくなってるぞ。』

『とりあえず、お前の悩みは、親父さんの会社を知ってからでも答えは遅くない。』

『保留?!保留かよ、俺だけ。』

『俺とか言ってるし。』

『うるさい!』

『なぁ、朝が来るよ。』

『うそっ、どれだけ話し込んでたんだよ。』

『帰るか?』

『帰るか。』

『保留なのか…』

『帰るか。』
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