2ねんせいの夏。
『馬鹿だよなぁ。今なら、
人蹴落とす暇あったら他にやることあっただろって、昔の自分に言うよ。

…少しまえに、お前が高校の制服着て友達と歩いてるとこ見て、
その歳で高校生っ?って思ったよ。』

『……』

『羨ましかった。』

『……?!』

『俺もやり直したいよ、で、
必死に努力するんだ。
人の事ばっかり考えてないで、
自分が努力するんだ。

そしたら…
今みたいに
後悔なんてしないですんだかもしれないし。』

『後悔してんだ…?』

『そう。
お前等にやった事と、
自分がやらなかった事に。』

『大人なんだな。』

『?大人だよ。
もう23なんだから。』

『そうじゃなくて、
後悔したり羨ましく思ったりするのって、大人がする事だって思わないか?』

『あぁ……』

『俺はあの高校に行ったこと
後悔したよ?でも、
あの高校で残ってレギュラーになった奴らのこと、羨ましいなんて思わなかった。』

『なんか違うような…』

『後悔する暇があったら今やれることを探す。あんたが今
言ったんだぞ?
人の事ばっかり考えてないで、
自分が努力するんだ。って。
羨ましがってないで、

自分で何かしろ。』
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