2ねんせいの夏。
『でも、お前にしたことは、
本当に後悔してる。
自分がやらなかった事より、
人にしてしまったこと。』

『もういい。』

『えっ?』

『おまえにされたことは
帳消しにはならない、過去は
変わらないんだ。だから
お前は許さない。でも、
それでも明日は来るから、俺は今を生きる。

後悔ばっかりしてられないからな。』

『蹴落としたはずのお前より、
俺が下にいるわけ、わかった気がする。』

『あっそ。』

『うん…』

二人はお互いに言いたい事を
言い尽くして別れた。

帰り際、貴と宏に会った。
たまたまじゃない事もわかった。

『プロ選手になれなかった事より、良い仲間に会えなかったほうががっかりだよな。』

『??』

『プロなんか
なれるかどうかも分からないのに。』

『??どうした?』

『俺さ、俺の夢奪った奴に
会ってきたわけよ。

許してやらなかった。』

『いや、あたりまえだろ。』

『おぅ、俺があいつの立場でも、俺はそんな事しないから。
相手の立場に立ってみても、
あいつの気持ちは俺には分からなかった。だから、
許さなかった。間違ってるか?』


『お前らしいよ。』
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