2ねんせいの夏。
誕生日の思い出
7月最後の日。
健の誕生日。
何日も前から準備は進められていた。健と仲良くなった春も、はりきって準備を手伝う。
そこに、親達の姿はない。
珍しい事ではない。
でも、まだ小学生の健には、
一番いて欲しい人達がいない誕生日は
物足りない誕生日だ。
この家では、誕生日の前に、
“プレゼントカード”というものが渡されて、欲しいものを書くというのが、恒例である。
『健、何て書くんだ?
欲しいものは?やっぱ、野球関連か?』
春が聞いた。
『うん…野球の観戦チケットかな。』
『いいじゃんか。書けば?』
そう言いながら覗き込んだ
“プレゼントカード”には、
【あったかいもの】
と書かれていた。
『あったかいもの?これじゃ、
観戦チケットは貰えないんじゃないか?連想ゲームか?
あったかいものと、観戦チケットは
繋がりようがないんじゃ…』
『いいの!なにが貰えるかっていう楽しみが増えるでしょ?』
『?いいのか?それじゃあ、
観戦チケット貰える可能性はかなり低いぞ?ストレートに書いたほうが…』
『いいのっ。親なら子供の欲しいもの分かるでしょ。言っちゃダメだからね。』
試してるのか?
親を。
健の誕生日。
何日も前から準備は進められていた。健と仲良くなった春も、はりきって準備を手伝う。
そこに、親達の姿はない。
珍しい事ではない。
でも、まだ小学生の健には、
一番いて欲しい人達がいない誕生日は
物足りない誕生日だ。
この家では、誕生日の前に、
“プレゼントカード”というものが渡されて、欲しいものを書くというのが、恒例である。
『健、何て書くんだ?
欲しいものは?やっぱ、野球関連か?』
春が聞いた。
『うん…野球の観戦チケットかな。』
『いいじゃんか。書けば?』
そう言いながら覗き込んだ
“プレゼントカード”には、
【あったかいもの】
と書かれていた。
『あったかいもの?これじゃ、
観戦チケットは貰えないんじゃないか?連想ゲームか?
あったかいものと、観戦チケットは
繋がりようがないんじゃ…』
『いいの!なにが貰えるかっていう楽しみが増えるでしょ?』
『?いいのか?それじゃあ、
観戦チケット貰える可能性はかなり低いぞ?ストレートに書いたほうが…』
『いいのっ。親なら子供の欲しいもの分かるでしょ。言っちゃダメだからね。』
試してるのか?
親を。