2ねんせいの夏。
春はなんとなく、
健ががっかりしないようにと、
貴に相談することにした。

『似てる。』

『なにが?』

『健は俺の小さい時と似てる。』

貴が言った。

『どの辺が?』

『その、遠回しなところ。
あったかいものなんて書いて親を試してるところ。』

『お前もやったんだ、同じようなこと。』

『やった。思い出すなぁ、昔の俺の誕生日。』

『何て書いたんだ?』

『…お父さん。』

『お父さん?』

『そっ。』

『あれか、あの…
一緒に遊びたいとか、
一緒に過ごしたいとか、
そういう事か?』

『春でさえ分かるのに、
父さんは
分からなかったんだよ。
で、俺に何贈ったと思う?』

『さぁ…?何?』

『…ブロ…ド…』

『聞こえねぇ。』

『親父のブロマイドだよっ!!
それも自分で作った!』

『受け狙いだろ?』

『いやっ、本気の可能性も捨てきれない。』

『まさかっ。…まさか…』
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