2ねんせいの夏。
『素直な子の親も素直って事。』

『宏!』

健達を眺める春の横に、
宏が立っていて、そう言った。

『貴と僕の昔の誕生日の話、
貴に聞いたんだろ?』

『あぁ、うん。』

『健は結局、
素直にチケットって書いたはずなのに、あったかいものまで貰えて。

あかねさんや草介さん達が
ちゃんと報告してるし、
親達もそれなりに勘はいいからね。』

『会社経営してるくらいだからな。』

『貴の親も【お父さん】で、
貴が欲しいもの、
解ってたんだよ。でも…』

『でも?』

『おじさんも
素直じゃないっていうか、
お茶目?だから、時間をさいてまで変わったプレゼントしたんだよ。』

『ブロマイド?』

『うん。』

『まぁ、心がこもってて
手が込んでるって言えば聞こえは良いけど、
子供には解りにくいといえば、
それまでのプレゼントだな。』

『知ってるか?
そんなプレゼントも貴の宝物に
なってるって事。』

『そうなの?』

『貴の机の引き出しの中で見つけた。そこは大事なものばっかり入れてるところ。』

『へぇ』

たまに宏は
何でもお見通しの様な話をする。

それは春が
最近知った宏の一面。
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