2ねんせいの夏。
朝になって、
いつもと変わらなくて、
でも、
健は子犬にべったりで
みんなで名前考えたりして、

楽しそうで。

貴を見て、
春と宏が笑ってるのが、
貴には気に入らなくて。

『春君、野球の観戦チケット、
春君達の分も
とってくれるってさ。』

『まじで?』

聞いてたのに知らないふりをして驚く春を、宏が笑って見ていた。

『あっ、健、
今日も野球の練習だろ。』

『そうだった!』

『わんこは奈々ちゃん達に預けて行くぞ。』

『いい子にしてるんだよ。』

名残惜しそうに離れる健を、
しっぽを振りながら玄関まで
追い掛ける子犬。

『帰ったら遊べばいい、
待っててくれるんだから。』

『行こう、春君!』

健は元気よく家をとびだした。

『おいっ!
グローブ忘れてる!』
< 49 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop