2ねんせいの夏。
宏が玄関に行くと、そこにいたのは…

『真砂希?なんだ?その荷物。』

『あっ、宏君!しばらく、
この家で世話になろうかと。』

『真砂希?何やってんのよ!』

『亜子ちゃん!
俺、家出、してきちゃった!』

真柴兄妹のいとこ、
高2の椎名真砂希【シイナ マサキ】
すぐ近くに住んでいるが、隣街の男子校に通っているので最近あまり会うことがなかった。

『家出?
バカじゃないの?帰れ!』

『冷たいなぁ、亜子ちゃんはぁ。ま、それが亜子ちゃんなんだけど。』

『なんで家出したんだよ?』

『まぁ、それはおいおい話すとして、どこの部屋泊めてもらおうかなぁ。ここんちは、余るほど部屋あるからなぁ。』

『ちょっと、
何勝手に話進めてるのよ!』

『あっ、亜子ちゃんの部屋に
泊めてもらおうかなぁ。』

『帰れ!』

亜子と共に宏も叫んだ。

『冗談だよ。』

真砂希が笑う。

『うちに家出してきたところで、すぐばれるだろよ。』

慎が言った。

『おぉ、慎ちゃん、久しぶり!
元気か?サッカーの方はどうよ?』

『話聞けよ。』

『いいんだよ。ばれても。
喧嘩してんだから探しにすら
こないよ。』

『喧嘩って…』
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