2ねんせいの夏。
鳥かごの鳥は
飛べない鳥だった…。
始めて着る中学の制服は、
大きくて親の期待が詰まっていた。
今日の時間割りなんかわからない。とりあえず全ての教科書を鞄に詰めて、親の居ぬ間に家を出た。
鞄は、今日は使わないであろう余計な教科書と、入院生活での体力の衰えのせいで、かなりの負担を太陽に背負わせた。
たった、10分の道のりを、太陽は倍以上かけて歩いた。
10年以上暮らしてこの街をあまり知らない太陽は迷いながらも、やっと校門の見えるところまでたどりついた。
通学時間をとっくに過ぎた、
10時前、急ぐ様子のない生徒をみつけた。
父親の知り合いの孫という認識の同級生、真柴 宏。
宏は太陽をみつけると指差して言った。
“あっ、太陽。久しぶり”
驚いた。
宏の気さくな挨拶と、
のんびりした通学風景、
太陽の重そうな鞄に対して、
手ブラな宏に。
挨拶を返そうとした時、
後ろから来たすごい形相の母親に捕まった。
連れ戻されていく太陽をみながら、宏は呆然としながら、思い出したかのように手を振った。
またな。
それからまた少しして、病院に戻って行った太陽と、宏が出会うのは、
高1の
夏休み。
飛べない鳥だった…。
始めて着る中学の制服は、
大きくて親の期待が詰まっていた。
今日の時間割りなんかわからない。とりあえず全ての教科書を鞄に詰めて、親の居ぬ間に家を出た。
鞄は、今日は使わないであろう余計な教科書と、入院生活での体力の衰えのせいで、かなりの負担を太陽に背負わせた。
たった、10分の道のりを、太陽は倍以上かけて歩いた。
10年以上暮らしてこの街をあまり知らない太陽は迷いながらも、やっと校門の見えるところまでたどりついた。
通学時間をとっくに過ぎた、
10時前、急ぐ様子のない生徒をみつけた。
父親の知り合いの孫という認識の同級生、真柴 宏。
宏は太陽をみつけると指差して言った。
“あっ、太陽。久しぶり”
驚いた。
宏の気さくな挨拶と、
のんびりした通学風景、
太陽の重そうな鞄に対して、
手ブラな宏に。
挨拶を返そうとした時、
後ろから来たすごい形相の母親に捕まった。
連れ戻されていく太陽をみながら、宏は呆然としながら、思い出したかのように手を振った。
またな。
それからまた少しして、病院に戻って行った太陽と、宏が出会うのは、
高1の
夏休み。