2ねんせいの夏。
『ただの自信家なのかもしれないけどね。』

そう付け加えて笑った
真砂希の母親は、
玄関の方に向かい始めた。

それを宏が追い掛けた。

『宏君、真砂希が迷惑かけました。
こんな分かりやすいところに家出して、見つけて下さいって言ってるようなものよね。
ほんと、子供なんだから。
でも、
反対されてもやるって、
諦めたくないって、
少し大人になったかなって思うのよ?

二つとも、自分でなんとかするしかないことだからね。』

『おばさん…』

『なに?』

『どこの親も同じなのかなぁ、
おばさんみたいに、子供のこと、想ってるのかなぁ。』

『もちろんよ。
宏君の親も、貴君達の親も。
それは親の仕事のうちよ。』

宏はそう言って帰って行く
真砂希の母親の、
おばさんの、

背中を見つめながら何かを思っていた。

母親の後を追って
帰ろうとする真砂希に、貴が声を掛けた。

『あっさり帰るのか。』

『うん…お迎えが来たから。』

『先に帰ってったけどな。』

『うん。
俺さ、あれもこれもって欲張って、子供なんだよね。
でも、やるって決めたから。』

『大人だよ。少なくとも

俺よりは。』
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